続
私のB2−MG値の変遷とアミロイド線維形成研究の現状及び透析医療現場の実情
1.はじめに
http://jp2kik.web.fc2.com/B2MG.html の続編です。
2.市民病院から転院した透析専門病院( HD透析 )でのB2−MGの除去率
H19/12/17 H20/6/2 透析条件は、4時間半と4時間透析であり、
透析前 B2−MG 17.7 16.5 QB 250ml/分 QD 400ml/分
透析後 〃
7.4
7.0 ダイヤライザー 2.1u ニプロ F
U
簡易除去率 58.2% 58.6% 針 17Gの簡易除去率ではあります。
Kt/v値 いずれも 数値は、1以下 0.7〜0.9 であったかと。
3.現在の透析をしている病院( HDF透析 )での B2−MGの除去率
H21/4/20 H21/6/22 H21/10/26 H22/2/15 ここまでの透析条件
透析前 B2−MG 21.8 23.3 22.4 21.7 は、4時間透析、QB
透析後 〃 5.5 5.1
4.6 4.6 250〜280.QD 5
簡易除去率 75.5% 78.1% 79.4% 78.8% 00前後 針 17G
Kt/v値 1.27 1.23 1.44 1.35
H22/6/21 H22/10/18 H23/2/21
H23/6/20 H22年4月より5時間
透析前 B2−MG
22.1 18.0 19.7 18.0 透析。QB 250〜255
透析後 〃 3.8 3.8 4.2 3.9 QD
600に限りなく近い。
簡易除去率
82.8% 78.9% 78.7% 78.3% 針 16Gでした。
Kt/v値 1.63 1.51 1.54 1.47
H23/10/24 H24/2/20
H24/6/18
透析前 B2−MG
17.4 19.7
20.7
透析後 〃 3.5 3.8 4.7 *
H24/6/18のデータは、先回
簡易除去率
79.9% 80.7% 77.3% 先々回とは、透析の形が違い
5時間透析 HDF透析 HDF透析 血液(HD)透析 ますから、一概に比較できない
QB 265 270 285
かとは思います。
QD 600に限りなく近い。
600近く。
600 近く。 HD透析は、HDF透析と比べ
針 16Gでした。 針 16G 針 16G 確かにKt/v値は、比較的高く
Kt/v値 1.64 1.65 1.75 なりますが、B2−MGの除去率
は、低くなるようです。(H24/8/21)
H24/10/22
H25/2/18
H25/6/17
h25/10/21 h26/1/6
H26/1/20
透析前 B2-MG
19.1 18.0 17.1
18.0 19.1
19.5
透析後 〃
4.0 3.5
3.2 2.9 3.2
3.0
簡易除去率
79.1% 80.1%
81.3% 83.8%
83.2%
84.6%
5時間透析 HDF透析10ℓ/時 HDF透析 〃
HDF透析〃 HDF透析〃 HDF透析8ℓ/時 HDF透析 〃
QB(透析血流) 305 335 355 375 390 390
針 16G 16G 15G 15G 15G 15G
Kt/v値 1.84 1.78 1.92 2.06 2.09 2.02
H26/2/17
H26/6/23
H26/10/20 H27/3/9 H27/6/22 H27/7/13 H27/8/24
透析前 B2-MG 20.1 19.4 18.1
20.1
21.6
20.1
21.6
透析後 〃
3.4 3.3 3.2
4.1
4.0
4.0
3.5
簡易除去率
83.1%
83.0 82.3
80.1
81.5
80.0
83.8
5時間透析 HDF透析8ℓ/時 6時間透析
HDF透析10ℓ/時〃 〃
〃
〃
〃
QB(透析血流) 395 340 360 360 370 380 380
針 15G 〃 〃 〃 〃 〃 〃
Kt/v値 2.03 2.46 2.47 2.37 2.52 2.24 2.57
ダイライザー MFX−25s 〃 〃 FIX−250s eco 〃 〃 〃
透析液流量(ml/分) 600 〃 〃 〃 620カ 640カ 最大619
H27/9/14 H27/10/26
H28/2/22
透析前 B2-MG 20.6
21.0
22.4
透析後 〃 2.9
4.1 4.0
簡易除去率 (%) 85.9 80.5 82.1
6時間透析 HDF透析10ℓ/時 〃
〃
QB(透析血流) 380 〃 〃
針 15G 〃 テフロン15G
Kt/v値 2.35 2.34 2.37
ダイライザー FIX−250s eco 〃 〃
透析液流量(ml/分) 最大 619カ 620カ 640カ
(私の知らない内
に検査されていた。)
*
QB
380ml/分の表示は、コンソールの数値であり、おそらく血液を循環させるモーターの回転数でありましょう。実際
に透析中回路を流れる血液流量表示ではなさそうです。穿刺の取り入れ針と返し針が、シャント内の血管へ一番良い状
態で挿入された場合の暫定血液流量位と考えた方がいいのかも知れません。上記表の数値は、目安でしかない。
透析中、まったくコンソールの警報ブザーが鳴らない時もありますが、時として静脈圧下限・或いは上限異常で警報が
鳴り、透析が中断します。数値を聞けば、下限の場合は、150〜160台。上限の場合は、200を優に超えている。
平成27年10月30日(金)では、かってなかった下限異常の数値 195であった。とすれば、高い方は、200を相当
越えていたのでありましょう。この穿刺もやはり取り入れ針・返し針両方に問題があったと私は判断しておりますが、病院
は、認めないでありましょう。
患者が、静脈圧を聞かなければ、コンソール再起動で、大抵は終わり。特にコメントが無いのが通例。
一般的には、静脈圧下限異常で警報が鳴った場合、血液の取れが悪い場合が多い。それと脱血ビロー(回路の途中の
四角い部分)が、凹んでいた場合は、本当に血液の取れが悪いようです。原因は、穿刺がうまくいっていないと考えた方が
正解でありましょうか。大抵の場合、ビローを見て見えるのか判断しずらい。私は、時々ビローを右手で触り、ぱんぱんに張
っているかどうか確認している。先回は、判断されなかったのでしょう。凹んでいましたので、臨時に1階から手伝いにみえ
ていた技師さんにも見て貰い再確認して頂きました。こうした事もあり、忙しさからか、やや確認が甘いのではと思っています。
反対に静脈圧上限異常の場合は、返血がうまくいっていない場合が多い。これも穿刺の問題でありましょうか。
当医院の穿刺技術は、かって以前いた透析病院よりは、遥かに高い。前の透析病院では、針がうまく血管内に入らない場合
が多多あった。ひどい時には、内出血して1ヶ月近く皮下にまだら模様が残っていた。こちらの病院に転院してからは、未だ無い。
技術は上でしょうが、まだ完璧かというと私は、100点満点を上げれないでいます。僭越な事を書いてしまいました。やはり、
患者からみて、たかが1回の透析で、ここまで言われなければならないのかと病院側は思われるかもしれませんが、患者にし
てみれば、せっかく透析を受けるのでありますから、最の高で終えたいと思います。プロでしょ。看護師さんは。技術を高めて
下さい。(こうした事柄は、病室内に他の患者さんがいる時は、言わないようにしています。患者が私一人か、いても耳の悪い
患者さんの時に病室の最高責任者らしき人にのみ言っているつもりです。信頼を損なうような事は極力控えるようにしている
つもりですが・・・・。感情が高ぶっている時は、その限りではありませんが・・・。病院もこうした患者さんには、病院を信頼して
いる患者さんを味方にしているようで、陰ではいろいろ画策してみえるようです。漏れ聞こえてきますから。)
4.北里大学付属透析病院の研究報告 (人工臓器17巻1号 1988年)
詳しくは、https://www.jstage.jst.go.jp/articie/jsao1972/17/1/17/17_1_27/_pdf を参照されたい。
概略を述べれば、同大学付属の透析病院のメンバーにより、ダイアライザーの重要な除去膜(cuprophan.PMMA.EVAL群)に
於けるB2−MGの透析後の増減傾向は、EVAL膜群を除いて透析後のB2−MGの増加傾向を指摘されていた。EVAL膜群
は、不変。
また、ダイアライザーのどの膜であっても、血液回路の滅菌法に拘らずヘパリン加新鮮血の体外再循環後の末梢血リンパ球の
B2−MG産生に体外循環自体が関与している可能性を示唆されていた。
*
具体的には、血液透析(浸透圧低下による細胞膜への揺さぶり現象)と体外循環によるストレス(血球への物理的損傷:血液
ポンプによる血球へのしごき、血管内皮以外の通過)という体外循環時の種々の刺激が複雑に関与してB2−MGの産生増加
と細胞膜よりの放出の2つが考えられるが、その機序は不明であるようです。*
そして、腎不全患者のB2−MG生成速度は、 0.129mg/h/Kg BW(body
weightの略)であるという。
とすれば、私のDWは、75Kg。私自身の体内では、1日あたり 0.129×24×75=232.2mgのB2−MGが産生されて
いるのでしょう。
月曜日の透析は、金のPM10時以降・土・日・月のPM4時以前合わせて2日と3分の2日間後の透析であり、232.2mg×2.7
=626.94mg≒627mgが、透析後産生されている事になりましょう。
平成27年8月24日(月)のB2−MG値は、透析前 21.6μg/mlであり、人の体内の血液量は、体重の13分の1 約8%かと。
であれば、私の血液総量は、平成27年8月24日(月)では、透析前 75.4Kg 透析後 74.4Kg(裸体重ではありません。)
であり、概算で、透析前の体重 75.4Kgであり、血液総量は、75.4×0.08=6.032kg≒6.032ℓでしょうか。
透析前 B2−MG値は、21.6μg/ml でありますから1000倍すれば、21.6mg/ℓとなり、私自身のB2−MG総量は、
21.6×6.032=130.2912mg でありましょうか。不思議な事は、月曜日までには、前回の透析から2.7日間で、約627
mgのB2−Mgが産生されている筈。つじつまが合いません。627−130=497mgのB2−MGは、どこへ消えたのでしょうか。
考えられる事としては、素人考えですが、私には、まだ腎機能が数パーセントですが、残っていて尿も1日あたり300〜400ml
は出ており、正常な腎機能ではありませんから、そこで尿に含まれて排出されているのでしょうか。(上記 pdfファイルでも、透析患
者の尿からB2−MGを取り出している事例を挙げてみえる事からも的を得ていると思います。)
透析後のB2−MGは、3.5μg/ml。健康な人のB2−MGは、基準値0.5〜2.0μg/ml。限りなく健康人の数値に近い値を
示している事は、救いではあります。その除去率は、83.8パーセントであり、130.2912ml×0.838≒109.18mlでしょう。
尿として排出しているとすれば、透析にて除去する量の約5倍弱に相当している。無尿になった時のB2−MG値の推移が恐ろしい。
無尿透析患者のB2−MG値は、透析前値は、一体いくつなのであろうか。知りたいものであります。
後日、当透析室の無尿透析患者さんの透析前B2-MG値の最大値・最小値をお教え願えませんかとDrにお尋ねしましたが、個人情
報であり、出来ませんと断られました。患者さん本人は、自身の数値はご存知でありましょうが、最大値の方が、当透析室内では、最
大であるとは、知らされていないのではないかと。平均値ですら出来ないという返事ではありました。
仮に、私が、無尿透析患者になった場合、尿として排出されていただろうB2-MGは、体内の主に血液中にあろうかと。とすれば、仮
にB2-MG除去率が83.8%であったならば、627mgは、627×0.838≒525mg除去されるのであろうか。
仮に525mg除去されたとすれば、627−525=102mgは、血液中に残る事となりましょう。B2-MG値は、102mg÷6.032ℓ≒
16.9mg/ℓ=16.9μg/ml(透析後数値)となる。透析前のB2-MG値は、約104mg/ℓ=104μg/mlでありましょうか。
下記 5で記述してあります透析患者のB2-MG値が、50mg/ℓ以上で10年・20年と経過する内には、透析アミロイドーシスを間違
いなく発症するでしょう。無尿透析患者さんは、特にB2-MG値の除去に真剣に取り組むべきでありましょう。理論通りであれば・・・・・。
5.長期にわたる透析患者の透析アミロイド線維の形成について
詳しくは、下記 pdfファイルにて参照されたい。
http://lifesciencedb.jp/dbsearch/Literature/get_pne_cgpdf.php?year=2002&number=4706&file=EFpruZDPLUSSR6AYmXeORcrkA==
概略すると、B2−MGなる物質は、クラスT組織適合性抗原の1成分であり、生体に必須の蛋白質であるという。抗原グロブリンと
認識されていた。
しかしであります。長期透析患者のB2−MG値が、50mg/lという数値で10年・20年と経過すると透析アミロイドーシスを呈し、毛
根管内等にアミロイド線維が形成され、しびれや痛みを伴ってくる。そのアミロイド線維は、幅10ナノm 長さ 1〜2μmのナノスケー
ルの針であるという。
例えて言えば、アミロイド線維は、一寸法師の持つ 針でありましょうか。非常に安定した状態の剛直な針であるようです。
B2−MGその物は、天然組成であり、極めて安定した状態の組成であるようです。免疫グロブリン(分子量数万ドルトン)は、アミノ酸
100残基程度(分子量1万ダルトン)を基本構造として串団子のように連なった全体構造になっている。
B2−MGは、その一つのドメインであるという。
*
ドメインとは、医学用語で、蛋白質は、1本のポリペプチド鎖(ペプチドが多く集まったという意味)でありますが、分子の認識・結合・
触媒など、いくつかの機能単位に分ける事ができるといい、この機能単位をドメインというようであります。
B2−MGが、アミロイド線維化するには、20残基程度以下の最小単位で充分であるようで、B2−MG分子内には、ジスフィド結合
を1つ有していて、天然状態では、蛋白質内部に埋もれていて働かないようです。何らかの原因でアミロイド組成最小構造が露出した
時が引き金になり、相互補完的にβシートを造り、このβシートが核となり、水素結合ネットワークを構築し、ジスフィド結合により更に安
定した構造に架橋するという。
*
ジスフィド結合(sーs結合)は、蛋白質と蛋白質を結合させること。
アミロイド線維を造る核となるβシートがどのような構成になっているのかは現時点では分からないようです。
が、βシートを内包した血液を持つ透析患者の血が、もし、まだ透析アミロイドーシスを発症していない透析患者の体内に伝染した場
合には、伝染したβシートによりアミロイド線維を構築するきっかけになるのではないかと危惧するのですが・・・。
透析アミロイドーシスは、進んだ透析医療が作り出した医原病(透析医療により引き起こされた今までに無かった病)であり、早くその
解明が進み、予防法を確立してくださる事を望みます。
6.まとめ
現在、透析アミロイド線維形成の予防法は、無い。あるとすれば、透析患者自身のB2−MG値を透析により低く抑える(透析前 25
μg/ml以下推奨 30μg/mlも可 透析医学会 ガイドライン 参照)ことであろうか。
出来てしまったアミロイド線維は、ジメチルスルホキシド<DMSO>が溶解するという。既にアミロイド線維の沈着した組織に塗布し
たり、数ml程度を服用することにより症状が改善されているという報告があるようですが、もっと強力な物でないと改善はむつかしい
とも言う研究者もあるようです。
医療現場では、透析アミロイドーシスを発症した患者の対応は、アミロイド線維の除去手術がもっとも一般的ではありましょう。
初期症状では、確かにアミロイド線維除去手術で、すっきりするという。しかし、初期のみであり、その後は・・・・・・。
透析開始が老年からであれば、透析アミロイドーシスは、老化が先か、重篤な透析合併症が先かに集約され、透析によるアミロイド線
維形成には、透析患者のB2−MG値が50μg/mlという高い値が続いた10年・20年後に発症するという特異性により医療現場での対
応は鈍くなるのは、必定。
*
透析前 B2−Mg値が、ガイドライン推奨の25μg/mlであっても小生透析歴12年経過した時点で、毛根管(シュコンカン)症候群ではな
かろうかと思われます症状(箸を持って右手親指第2関節の中央部を圧迫すると痛みが走ります。)が出ております。極力B2−MGは、
低い値であった方が良いと思います。が、血管石灰化・心臓弁の石灰化の方が命に直接関わる点HDFでの補液(通常10L/時)は、
B2−MGの除去には、多い方が適している事は承知していますが、P・Ca等の小分子物質も多く除去するには、補液量は、少なくした
方が良い。兼ね合いが難しい所です。松江の某Drからは、補液は、6L/時が望ましいともご教授された。*
( * *は、平成29年5月2
日 記述 )
しかし、若年での透析患者にすれば、透析開始後10〜20年後には、アミロイド線維により労働障害が起こる可能性は高い。
むしろ若い年齢で透析患者になった人こそB2−MG除去に大いに取り組むべきでありましょう。透析患者が、自力で働ける内は、やは
り医療現場でも若年透析患者には、真摯に取り組んで頂く事が肝要ではないかと思いますが、どうでありましょうか。
全ての透析患者を平等に診療する姿勢も必要な事でしょうが、透析患者個々に即した対応もあってもいいのではなかろうかと思うのは
私だけであろうか。
上記拙文を脱稿後、次のようなhtmlファイルを見つけた。2010年9月6日の記述でありますから、既に平成27年9月現在 7年が過ぎ
ていることになりましょうか。当時 実年齢 72歳、透析歴 38年になろうとしている透析患者さんの文であります。ご存命なら御年 79歳。
透析アミロイドーシスに苦しめられている患者さんであります。(後日 メールにて遣りとり致しました。)
その一節を引用させて頂きます。
「我が透析人生である第二の人生は、1972年(昭和47年)9月5日に始まった。今日で満38歳、暦年齢は11月で72
歳である。透析アミロイド症を発症したのは、1986年、透析暦14年の手根管手術が発端で、以来、それによる障害は徐々
に進行して10年前より四肢関節にアミロイドが蓄積し腰椎骨破壊による脊柱管狭窄症の間歇跛行、下肢関節の硬直から正座、
あぐら座りが不可となる一方、手首、肩関節は11回の手術を経験することとなった。」と。
この方の一連の記述を読んで、私より遥か35年も前から深く透析について考え実践されていたのかと感銘を受けました。
詳しくは、http://blog.livedoor.jp/aki684210/archives/cat_50027667.html を参照下さい。
上記引用もお断りせず、引用しました事をお許し下さい。早々。
透析アミロイドーシスの顛末を透析患者であり、医師の立場から簡潔明瞭に記述された文章を知る事が出来た。参照されたい。
http://www.ckd-experts.jp/disease/psychonephrology/complication/index.html です。
上記htmlファイルは、透析患者であり、精神科医Drの春木氏の論述でありますが、透析アミロイドーシスについては、以下のように
述べてみえます。
{現在のホローファイバー型でも無理である。私のように6時間半の透析を続けてきた患者でも無理であった。アミロイド。これは、ず
っと昔(透析前)から私の身体にたまっていたものだということを痛感している。たとえ6時間半の透析でやってきても“たまるもの”は
たまるということである。“透析”という治療法の限界であろう。アミロイド症。これは根絶できない“合併症”であろう。「仕方がない」と
あきらめることであろう。}と。
しかしであります、最近のB2−MGに関する研究報告では、B2−Mg値が、透析医学会のガイドラインにおいても30μg/mL以下
の水準を維持すれば透析アミロイドーシスを発症しないようにも取れる。透析前数値が50μg/mL以上が10〜20年続いた場合に
発症するような研究報告もあるようです。春木氏の記述は、透析の暗黒時代を経過された時代を生きてこられた方々に共通する感覚
ではなかろうか。
B2-Mg値と相対死亡危険度に関する記述があります。かわせみクリニック HP上の記述です。( http://kawasemi-clinic.com/material.html )
かって拙稿にて、B2-Mg値は、透析前 20mg/Lが望ましいという事を 透析二人会の記述から受けましたが、やっとその出元であろう記述
にたどり着いた。2000年12月31日現在の「わが国の慢性透析患者の現況」からでありましょうか。
しかし、現在は、{日本透析医学会のガイドラインには、「β2-MGは30
mg/L未満の達成を推奨、25
mg/L未満が望ましい」とするステートメン
トが加えられました。特に2008年の統計調査結果の解析では、Kt/V
ureaでも調整されていることから、中分子物質のβ2- M G 濃 度 が
、小
分子物質の透析量とは独立して、予後に関連する可能性が示唆されています。}
詳しくは、上記 htmlファイルを参照ください。併せまして
「日本透析医学会編:維持血液透析ガイドライン:血液透析処方.透析会誌 46(7):
587-632,
2013も参照されたい。
平成27年9月24日 最終脱稿
平成27年10月30日 一部加筆
平成28年3月15日 加筆
平成28年4月20日 加筆
平成29年5月 2日 加筆修正
付記
私に使われているダイライザーの性能比較が出ていた。参考としてそのURLを記載します。
http://www.enjinkai.com/society/images/FIX-Seco%E3%81%AE%E9%99%A4%E5%8E%BB%E7%89%B9%E6%80%A7%28%E6%9C%AC%E7%95%AA%E7%94%A8%29.pdf
上記のMXF-25sとFIXー250s ECOのB2-MG除去率は、5時間透析 同一血流量では、FIX-250s ECOに軍配が上がっていますが、
私が、6時間透析 血流量 360ml/分での場合は、MXF-25sに軍配が上がっていました。