透析患者における感染症のリスク
1.はじめに
透析患者の生命を脅かす三大疾患 ( 詳しくは http://k-enshu.ja-shizuoka.or.jp/shinryoka-bumon/bumon/hd/kaisetsu を参照されたい。)
・ 心不全 感染症 脳血管障害であるという。
当院でも透析歴の長い患者さんが感染症にかかってみえるようです。
聞けば、透析患者の感染症リスクは高く、高齢・長期透析患者では、特にそのリスクは高くなるという。
「透析患者の感染症では、肺炎と敗血症が2大原因であり、それぞれ約4割ずつを占めていた。」
( https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsdt/46/2/46_183/_pdf 2013年 参照 )
予防としては、”肺炎球菌ワクチン”の接種が限界はあるようですが望ましい。5年毎に接種可(自費)
2.敗血症とは
・ 「敗血症の症状として、ここでは、イギリスで市民啓発のために使用されているSepsis
sixと呼ばれる敗血症のサインがあるようで、主に以下のよう
なサインが現れたら敗血症を疑うべきであるといわれている。
・しゃべりにくい、言っていることがおかしい
・強い全身筋肉痛
・尿が出ない
・ひどい息切れ
・死ぬのではないかと言う感じ
・手足が冷たくじっとり、蒼白
上記のように、敗血症の初期症状では、意識がおかしく、ぐったりとしているなどの症状が現れ、また、変なことを言うようになったり、呼吸が速く息切れ
が現れるケースもあるようです。
血圧が低くなることで血のめぐりが悪くなり、手足が冷たくなったり顔色が青白くなる患者さんもいる。さらに、下肢が紫色になるチアノーゼという症状も、
敗血症のサインであるという。」
平熱より低い場合もあるようだと。感染症に罹患し、体温が下がった場合には敗血症の重要なサインであるとか。
・敗血症の原因
「敗血症は、肺炎や尿路感染症、腹膜炎など、あらゆる感染症に伴い発生する可能性があります。細菌、ウイルス、真菌(かび)など、あらゆる微生物が
原因となりえますが、なかでも最も多いものは細菌でしょう。
通常、細菌やウイルスなど何らかの異物が体内に入ってくると、免疫細胞が活性化され、異物が増加しないように働きます。このような防御反応は、発熱
や炎症反応という形で現れます。敗血症は、この防御反応が過剰に現れたり、抑制されることで発生するといわれています。」
( https://medicalnote.jp/contents/171110-001-YJ からの引用 )
3.透析患者の免疫能の低下
実態は、まだ研究段階でありますが、トピックスとして https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika1913/89/11/89_11_2304/_pdf を参照されたい。
「慢性腎不全・透析患者の感染防御能を向上させる対策
・充分な透析量の確保による尿毒症物質の除去
・適切エネルギー・蛋白質摂取による栄養状態の改善
・エリスロポエチン使用による鉄過剰の防止と腎性貧血の改善
・補体活性化作用の少ないダイアライザの使用
・血液透析液からエンドトキシン除去
・より生理的な腹膜透析液の開発(腹腔内感染防御能の向上)
・PTH上昇の抑制
・ワクチン接種時におけるIL-2の供用
・Ca拮抗薬の使用」 (上記 pdf からの引用 )
4.聞いた話から
某施設の患者さんからの伝聞
高齢透析患者の感染症(おそらく菌血症カ)についてでしょうか。
「高齢の場合、特に死期が近付いている場合
体験談から言えることは、一般論とは異なります。
抵抗力が極端になくなる為か、
急に水虫が悪化したり、口内にカビが生えたりとか、
湿疹ができたりとか、、、
対処療法も効かなくなります。
体が培用の様な状態に、、、、、
寿命を全うして死んで行く人の最後とはこんなものなのかなぁ〜って。」
この方は、既に3名を見送られたとか。最初は、びっくりされていたようです・・・・・・。