血液ガスからみた私の状況
                                          −静脈血を用いた数値ー

          1.はじめに
             透析中に、ゲップのような物が反復して起きる。通常(非透析日)の時は、殆んど起きません。最初は、逆流性食道炎かとも思いましたが・・。アルカロ
            ーシスでも起こりえる事を知り、検査が出来ないかと思いました。
             前の透析病院では、年に1回検査されていたかと記憶しています。当院でもと思い依頼しましたが、検査機器がどうとかで検査出来ない旨の伝達が
            あり、止む無く別の機関にて検査して頂くことになりました。

          2.検査結果
             平成30年11月1日(木) AM10時17分測定 静脈血 血液ガス
                                                                                                                                              数値の評価(患者自身が想定した評価)
              pH          7.335           下限値 7.35  上限値  7.45               若干アシドーシスカ
              PCO2       66.3  mmHg    〃 35      〃  45        かなり高い数値  慢性 カ
              PO2        13.1   〃

              HCO3act     34.6mmol/L      下限値 21  上限値 28         可成り高い数値    代謝性のアルカローシス カ
              BE          6.6mL/dL      〃  −2   〃   3          やや高い
  
                           *  通常は、透析中に検査するのですが、今回は、透析でない日の静脈血を採取しての検査となりました。静脈血の場合、動脈血と比べややpHは、低
             く、PCO2は、若干高く、PO2は、低く、HCO3・BEは、高く出る傾向にあるという。*

         3.結果判定
            非常に微妙な数値として出ているように思えます。
            pHは、若干低く、HCO3は、高く、PCO2も高い。透析中盤からゲップが反復することから若干アルカローシス傾向であろうか。・・・私の推測。
             
                          検査病院でのDrの診断も、アルカローシスも考えられるとの事でした。

            動脈血での検査結果もみてみたいものです。

            私の知り合いの方にも数値をみせて相談してみました。
            「げっぷとアルカローシスの関連は不明ですが。この検査では確かにアルカローシス(もしくは、アルカレミア)ですね。
          透析室で血ガスが出来ないというのも悩ましい問題ですね。」 ということでした。

          4.代謝性アルカローシスの原因
            「代謝性アルカローシスは,酸の喪失,アルカリ投与,水素イオン(H+)の細胞内への移動(低カリウム血症などで生じる),またはHCO3のうっ滞による
           HCO3の蓄積である。HCO3は正常では腎臓によって自由に濾過され,したがって自由に排泄されるため,最初の原因にかかわらず,代謝性アルカロ
           ーシスの持続は腎臓でのHCO3再吸収の増加を示す。

            HCO3再吸収を増大させる刺激として最も多いものは体液量減少および低カリウム血症であるが,アルドステロンまたはミネラルコルチコイド(ナトリウム
           の再吸収ならびにカリウムおよびH+の排泄を促進する)が増加するあらゆる病態でHCO3は増加しうる。したがって,低カリウム血症は代謝性アルカローシ
           スの原因であると同時にしばしば結果でもある。

            原因を一覧に示す;最も多いのは体液量減少(特に反復性嘔吐または経鼻胃管吸引による胃酸およびClの喪失があるとき)ならびに利尿薬の使用である。」
             上記記述は、https://www.msdmanuals.com/ja-jp/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%8A%E3%83%AB/10-%E5%86%85%E5%88%86%E6%B3%8C%E7%96%BE%E6%82%A3%E3%81%A8%E4%BB%A3%E8%AC%9D%E6%80%A7%E7%96%BE%E6%82%A3/%E9%85%B8%E5%A1%A9%E5%9F%BA%E3%81%AE%E8%AA%BF%E7%AF%80%E3%81%A8%E9%9A%9C%E5%AE%B3/%E4%BB%A3%E8%AC%9D%E6%80%A7%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%AB%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%82%B9 からの抜粋。

            とすれば、今年9〜10月にかけhanp値82.5ー>29.1への推移。体液量は、推定2Kg減少した可能性が高い事。透析時間 6時間故のK値の若干の低K血
           しょうカ、降圧剤の中には、利尿作用もあるのではなかろうか。

            以上の事からのアルカローシスの発現であろうか。夏場、テタニーらしき現象の発現もアルカローシスの可能性はないのであろうか。
            検査日<11月1日(木)>が、透析により、体液量の減少を来していた最中であったこと。これに尽きましょうか。

                    5.本院 回診Drの見解
            平成30年11月1日(木)の某病院での静脈血による血液ガスの検査詳細情報を見て貰いました。(平成30年11月28日)
            開口一番 本院でも簡易な血液ガス検査は、出来ますよ。これ程精密な検査ではありませんが・・・。と(主任Drは、何故言われなかったのか不思議です。)

            Dr曰「この数値は、一般的な数値です。CKD患者の体は、アシドーシスに傾きやすい。その為、体内にアルカリ性のHCO3(重炭酸)を透析液にて入れて緩和
           させようとしている。」と、私からみれば、基準値上限を大幅に超えているように思えるのですが・・。
            また、PO2は、かなり低いし、PCO2は、基準値上限を大幅に超えても居ますが・・・、という指摘にも「動脈血ではなく、静脈血ですから、こうした数値は、当たり
           前ですよ。」と。

            まったく問題はないという見解でした。付け加えられて、「この数値は、透析の結果ともいえます。」と。

                           *  Drも、透析による体液量の減少が原因と思われたのでしょうか。
                         

            当院 平成30年11月30日(金) 簡易な動脈血(シャント血)血液ガスの検査がして頂けた。
              検査名 i-STAT EG7+
                                    検査時 AM 11時32分 透析開始 2時間余
              37.0℃
              pH       7.445
              PCO2    43.1mmHg   PaCO2は肺胞換気量の指標である。 PaCO2が高ければ肺胞換気量は不十分であり、低ければ過剰換気状態にある。         
              PO2     79  mmHg   *PaO2は加齢によって低下する。
              BEecf     6   mmol/L
                               HCO3        29.6mmol/L            
                               TCO2         31  mmol/L
                                sO2          96%
     
               Na     141  mmol/L
                            K       3.1 mmol/L
                                iCa             1.16 mmol/L       
               Hct     33    %PCV
               Hb*         11.2g/dL       * via Hct

                                *  BEは代謝性異常によって付加された強塩基又は強酸の量のことであり、酸塩基平衡異常の代謝性変化を表す指標の1つとして用いられる。
                                    ポイントは酸塩基平衡は正常か異常か、異常であれば原因が呼吸性か代償性かその両方(混合性)か、また急性か慢性(代償状態)か判断しなくてはい
                                  けない。

             この結果からは、可も無し、不可も無しというところでしょうか。この日の夜、少し足がつりそうになりました。若干多く徐水した可能性が高い。

                    付記 1
          血液ガスの診断ステップについて (参考)
          https://cdn.jsn.or.jp/jsn_new/iryou/kaiin/free/primers/pdf/43_8.pdf  参照されたい。
          

         付記 2
          血液ガス 基準値一覧
          https://www.okayama-u.ac.jp/user/hos/kensa/denkai/gas.htm 





                                
















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