ARB系降圧剤使用に於ける血圧値の推移の実際
1.はじめに
望ましい血圧値は、最高血圧 130台 最低血圧 85以下とか。CKD患者は、ややもすると血圧値は、高くなる傾向にあるようです。
その結果、心臓に負担をかける事になるという。そうした予防のためにも予後の為にも積極的に血圧をコントロールすることが肝要であった。自戒の念が
強い。
当院Drに平成30年(2018)年4月こうした血圧の上昇について相談した。直ぐに薬を処方された。ARBの降圧剤(持続性アンジオテンシンU受容体拮
抗薬 カンデサルタン錠 2mg 1錠/日 夕方服用)であります。以前使用していたプロブレス錠と同一内容の降圧剤でありました。
上記ARB降圧剤プロブレス錠と同等の性能を有すると武田製薬も認識しているようで、ジェネリック製剤です。カンデサルタン錠の血中濃度半減期は、「
同薬製造元
"あすか製薬"の公式見解では、血中濃度半減期(T1/2)は7.6±1.5hr及び7.4±1.5hr」とか。
( 詳しくは、http://www.aska-pharma.co.jp/newitem/prd_candesartan/data/candesartan_eqiv_201409.pdf
を参照されたい。)
2.服用後の血圧値の推移
・ 降圧剤は、平成30(2018)年4月7日(土)に処方されました。
それ以前までの透析後の血圧値は、座位での測定値 最高血圧 120台が続いていました。
4月2日(月) 4月3日(火) 4月4日(水) 4月5日(木) 4月6日(金) 4月7日(土) 4月8日(日) 4月9日(月) 4月10日(火) 4月11日(水) 4月12日(木)
実質DW 75.2kg 75.0kg 74.8kg 74.5kg 74.5kg 74.7kg
徐水量 1.9kg 1.5kg 1.5kg 0.8kg 2.5kg 1.5kg
後体重 74.9kg 74.7kg 74.5kg 74.4kg 74.2kg 74.4kg
最大血圧 120 127 123 106 105 111
尿量 440mL 150mL 170mL 410mL 290mL 310mL 590mL 530mL 320mL 150mL 180mL
備考 寝汗多量 寝汗多量 透析後声がれ 寝汗
・ 降圧剤服用後の血圧値
時刻 4月7日(土)*
4月8日(日)
4月9日(月)
4月10日(火)*
4月11日(水)
4月12日(木)*
4月13日(金)
最高 最低 脈拍
最高最低脈拍 最高最低脈拍 最高最低脈拍 最高最低脈拍
最高最低脈拍 最高最低脈拍
AM8:20 149 am1:45 156 95
81 *am5:40 162 98 81 am5:15 152 89 71 am6:00 131
82 71 am4:30 153 89 80 am5:30 131 81
69
AM9:00 148 *5:45
162 92 71 * 6:00 167 90
78 6:00 145 83
74 7:00 129 79 71
5:30 157 89 82
7:30 136 80
67
7:00 158 89 75
7:00 152 88 72
7:00 164 89 87
8:00 127 77
74 5:35 145 84
79 8:30 128 71
87
PM3:00 106 *8:15 166 94 74 8:00 161 85
80 8:20
149
9:30 143 80 80
3:30
129 88
8:35 148 86 78 9:00 137 81
69 9:00
148 11:30
118 70
75
10:30 135 79 81
4:30
127 77
9:00 141 82 77 10:00 152 83
86
5:30 138 81 73
9:30 153 78
75
pm1:30 125 70 77 pm4:00 136 83
81 pm12:30 147 90
77
6:30 132 89 70
10:00 159 88 72
pm12:00
143 83 81 pm2:30 106 5:00 120
79
83
1:30 124 76 98
7:30 147 93 71
11:00 157 89
70 12:30
144 87 90 3:16 136 85
81 3:00 115 68
84 6:00 129 87
75 2:30 127 89
81
8:30 120 76 71
pm1:00 148 85
77 1:30 137 81
92 4:15 122 73 80
4:00 120 73
78 (降圧剤 1錠服用) 3:30 156
88
90
9:30 132 80 73
2:00 146 82
75
5:15 125 73
76
5:00 130 80 70 7:30 131 78
74 4:30 152 89
79
3:00 162 86
81
4:00 150 85 82 6:30 131 85
70 6:00 119 74
67 8:30 146 79
72 5:30 134 79
77
(結局 降圧剤 服用せず)
4:00 154 95
74 5:30 159
84 77 (降圧剤 1錠服用) 7:00 129 79
77 9:30 111 74
70 6:30 145 89
72
(降圧剤 1錠服用) 7:30 122 72 75
(降圧剤 1錠服用) (降圧剤 1錠服用)
5:00 162 89
72
6:00 158 87 79 8:30 113 75
71 8:00 137 77 83
7:30 143 77
85
*6:30 167 91
70
7:30 150 87 79 9:00
121 74 68
9:00 136 77 74 8:30 144 82
74
(降圧剤 1錠服用)
8:30 154 87
69
9:30 134 81
70
7:00 151 85 85 * 9:30
161 93
67
8:00 136 84
66
8:30
140 82
66
( 入浴 )
9:30
124 79
71
高血圧回数 5回(日曜 朝2、月曜 朝2、夜1)
上記降圧剤服用時の血圧値をみると
4月7日(土)までは、透析徐水量(DWを超える体内水分量)では、最終透析ベッド座位での血圧最高値は、ずっと120台で推移していた。おそらく体内には、余分な
水分が残った可能性がありましょう。だから、4月7日(土)には、一気にDWを0.5kg多くし、74.5kgとして徐水を行いました。帰宅後の血圧値は、よくコントロール
されていましたので、降圧剤を服用しなかった。翌日の8日(日)は、血圧値が、高い状態で推移した。
血圧値をコントロールする為 ARB降圧剤(カンデサルタン錠 2mg 1錠)を8日(日)午後6時30分頃服用しました。が、翌日でもその降圧剤の効果は、出
ていないように思えます。
4月10日(火)の透析日には、DWを一気に下げたと同じ74.5kgで徐水をして頂きました。今までに取り除けなかった体内の余分な水分も取り除くつもりで徐水
をした事になりましょう。案の定 透析最終のベッドでの座位姿勢での血圧値は、前回より少し下がった105でありました。久しぶりに声枯れも起こりました。
この日以降の次の透析日までの血圧値の変動は、コントロールすべき最高血圧値 130台 最低血圧値は、85未満内に納まっているようです。降圧剤を服用して
ですが・・・。
4月12日(木)の透析は、前回声枯れが起こりましたので、DWを200gゆるくした74.7kgとし、徐水。透析最後の座位での血圧値は、最高値 111。これで、透析
翌日も何とか血圧は、コントロール出来るのでは・・・。家にいる時、こんなに血圧を測定した事が無く、これで、おおよその血圧の推移が予測出来そう。
しばらくは、こうした透析と降圧剤とで、血圧値をコントロールしていくのが良いのだろうと思いました。
2014年発表のARB降圧剤についてのトピックス論文 https://www.jstage.jst.go.jp/article/numa/73/1/73_8/_pdf も参考になりました。
ARB系降圧剤には、血圧を下げる効果と心臓・腎臓等の臓器保護作用もあるようだと。
カンデサルタン錠(アンジオテンシンU受容体拮抗薬)は、AT1受容体選択性 17000倍 血管収縮度 90.2 血中半減期 9時間とか。
*
アンジオテンシンIIに対する受容体にはAT1とAT2の2種類のサブタイプがあり、AT1受容 体は血管収縮・動脈硬化作用、AT2受容体はその反対の血管拡張・
抗動脈硬化作用が主体である。AT1受容体は血管平滑筋、肺、肝臓、腎臓、副腎、卵巣、脾臓、脳に分布し、血管収縮作用、血管壁肥厚作用、動脈硬化作用、
心筋収縮力増強作用、心筋肥大作用を介しているとか。
http://byoutaiseiri.kenkyuukai.jp/images/sys/information/20110304141052-81B83E59607896E5F806508E38B087CC28ECC3C9C242C4AEE4A39F222D1D46D9.pdf
を参照されたい。 *
私が服用し始めたカンデサルタン錠(アンジオテンシンU受容体拮抗薬)の体内での作用機序については、https://kusuri-jouhou.com/pharmacology/raa.html を
参照されたい。
3.高血圧と心臓病
「高血圧と関係のある心臓病には、心肥大、心不全、狭心症、心筋梗塞などがあります。
高血圧の状態が長く続くと、全身に血流を送り出す心臓はより強い力が必要となり、心臓の壁が厚くなるという心肥大が起こってきます。心肥大が進展すると、心機能
の低下や心不全につながります。
また、高血圧が続くと心臓に養分と酸素を送り込む冠動脈の動脈硬化が生じるため、血管が狭くなったり、詰まったりして、狭心症や心筋梗塞が起こりやすくなります。」
( https://kanja.ds-pharma.jp/health/ketsuatsu/complete/complications/co12.html より引用 )と。
*
既に心肥大は、静かに進行していた。平成30年4月16日 某病院で経胸壁心臓超音波(標準検査)を受けた。その結果であります。
「エコー検査結果からは、心臓壁は、肥大(基準値6〜11mm IVSd
15mm LVPWd
13mm)化しているようです。今までの血圧値等が関わっていそうです。
心配したe'(イープライム)は、9.5cm/s
(e'の正常値は8以上) E/e'は、6.3という数値(E/e'の正常値は8未満
)が出ていた。e'は、8未満ではないようですからまだ
心不全状態ではなさそうです。かなり近くはなっているようですが、E/e'(イパーイープライム)値については、13〜15にはまだまだ到達していないようです。
平成30年4月現在では、私は、心不全状態ではないのでしょう。心臓の肥大化は、進行しているようですが・・・。」
更に、「大動脈弁の弁口面積は、EOA(AVA連続の式)数値は、2.5平方cm、GOH(AVA2D)では、2.7平方cmとか。弁口面積は、1平方cm未満ではないようで、
こちらも重度には至っていないようです。
また、左室の狭小化(LVDdがかなり小さな値になっている)も基準値下限ぎりぎりの40mmでありました。
http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2010yoshida.h.pdf からの大動脈弁狭窄の重症度表から
軽度 中等度 重度
弁口面積 >1.5cm2 1.0〜1.5cm2 ≦1.0cm2 からみれば、極軽度状態でありましょうが、CKD患者の大動脈弁狭窄の進行速度は、極めて早いとか。
CKD患者で有ります私の大動脈弁口部の面積は、順調に狭窄していった場合(透析患者におけるAS
の発症率は1.5〜8.0%/年,弁口面積狭窄速度は0.23 ㎠/
年
であるとされている。・・ガイドライン参照)弁口部面積が、1平方メートルに到達するのには、(2.5ー1)÷0.23≒6.5年の年数が掛かるかと。それ以降は、不整脈や
ら心不全症状に陥る可能性が高い。まず、平成30(2018)年6月現在から推測すれば、2023〜2024年位までは、心臓に関わる疾病に悩まされないのでありましょ
うか。」
これは、毎年4月に1回、某病院にて検査をしていくことが、肝要でしょう。*
平成31年は、2月14日(木) 心エコー予約。少し早いのですが、透析時間が、6−>5時間に変更され、血流量を上げてほしいと依頼した為、急きょ心機能の検査が
必要になったからです。
4.補足 降圧剤服用時の血圧値の推移 ( 平成30年4月7日〜6月1日)
5.補足2 降下剤服用時の血圧値の推移
( 平成30年6月2日〜7月27日)
6.補足3 降圧剤服用時の血圧値の推移
( 平成30年7月28日〜10月5日)
7.補足4 降圧剤服用時の血圧値の推移
( 平成30年10月6日〜11月30日)
8.補足5 降圧剤服用時の血圧値の推移 ( 平成30年12月1日〜 平成31年1月4日)
9.補足6 降圧剤服用時の血圧値の推移 (
平成31年1月5日〜 平成31年2月1日)
10.補足7 降圧剤服用時の血圧値の推移 (
平成31年2月2日〜平成31年3月1日)
11.補足8 降圧剤服用時の血圧値の推移 (平成31年3月2日〜 平成31年3月29日)
12.補足9 降圧剤服用時の血圧値の推移 (平成31年3月30日〜
令和元年5月3日)
13.補足10 降圧剤服用時の血圧値の推移 (令和元年5月4日〜 5月31日)
14.補足11 降圧剤服用時の血圧値の推移 (令和元年6月1日〜
7月5日)
15.補足12 降圧剤服用時の血圧値の推移 (令和元年7月6日〜
8月2日)
16.補足13 降圧剤服用時の血圧値の推移 (令和元年8月3日〜
8月30日)
17.補足14 降下剤服用時の血圧値の推移 (令和元年8月31日〜
9月27日)
18.補足15 降下剤服用時の血圧値の推移 (令和元年9月28日〜
令和元年11月1日)
19.補足16 降圧剤服用時の血圧値の推移 ( 令和元年11月2日〜
令和元年11月29日)
20.補足17
降下剤服用時の血圧値の推移 (
令和元年11月30日〜令和元年12月20日)
21.補足18 降下剤服用時の血圧値の推移 (令和元年12月21日〜
令和2年1月3日)
22.補足19 降下剤服用時の血圧値の推移 (令和2年1月4日〜
令和2年1月31日)
23.補足20 降下剤服用時の血圧値の推移 (令和2年2月1日〜
令和2年2月28日)
24.補足21 降圧剤服用時の血圧値の推移 (令和2年2月29日〜
令和2年3月27日)
25.補足22 降圧剤服用時の血圧値の推移 (令和2年3月28日〜
令和2年5月1日)
26.補足23 降圧剤服用時の血圧値の推移 (令和2年5月2日〜
令和2年5月28日)
27.補足24 降圧剤服用時の血圧値の推移 (令和2年5月29日〜
令和2年7月3日)
28.補足25 降圧剤服用時の血圧値の推移 (令和2年7月4日〜
令和2年7月31日)
29.補足26 降圧剤服用時の血圧値の推移 (令和2年8月1日〜
令和2年9月4日)
30.補足27
降圧剤服用時の血圧値の推移 (令和2年9月5日〜 令和2年10月2日)
31.補足28降下剤服用時の血圧値の推移 (令和2年10月3日〜
令和2年10月30日)
32.補足29 降圧剤服用時の血圧値の推移 (令和2年10月31日〜
令和2年12月4日)
33.補足30 降下剤服用時の血圧値の推移 (令和2年12月5日〜
令和3年1月1日)
34.補足31 降圧剤服用時の血圧値の推移 (令和3年1月2日〜令和3年2月5日)
35.補足32 降圧剤服用時の血圧値の推移 (令和3年2月6日〜