私の尿量変化とDW・尿に含まれる物について

             1.はじめに
                平成28(2016)年5月〜6月にかけてDWが大きく変化。それまでの長期低血圧症状(最高血圧が110台以下で推移)した事
               によるのでしょうか。頻脈(通常の脈拍数ではなく100台以上)が発生。その反対は、除脈(通常の脈拍数ではなく60台以下)
               であるようですが、これらは、最高血圧値が平均値以上・以下になった場合に生体がファジイーに対応する結果なのでしょう。

                私の場合は、除水過多による生体がドライになった事が起因したことからきているのでしょうか。対策として、通常のDWより
               1000ml(重さで言えば1Kg)程度除水を甘めにするといいとかっての透析主治医からお聞きしていた事を実践してみました。
                案の定、頻脈は、収まりました。そうした事柄は、拙稿 続 透析中の血圧低下について で記述いたしております。

                今回は、その後の様子についていささか気になることもありまとめておこうと思い筆をとりました。

             2.私の尿量変化
                尿量を記述する前に、私の残腎機能の数値を記載しておきます。
                某医師からは、あまりあてになりませんとのお言葉を頂いている数値です。e-GFR値(推算値)。血清クレアチニン値・年齢・
               性差から出されるようですが・・。日本腎臓学会から出された数式にて算出カ。

                一度出してみたい方は、http://keisan.casio.jp/has10/SpecExec.cgi?id=system/2006/1210728958 を覗いて下さい。
                                   只、上記HPの数式は、透析導入患者を出さないようにするスクリーニング的な色合いが濃く、既に透析を導入されている患者
               には適さない可能性が高い事を承知してお使い下さい。

                                   私の透析導入前の数値 H17/2/2 Cr 8.1 年齢 57歳時のGFR推算値 6.2ml/min
                最初の透析日 H17/3/16  透析前Cr 7.5  年齢 57歳時の   〃   6.7ml/min       この当時の実質値は、6ml/min。

                年・月・日   h17/11/7  H18/11/6    H19/11/5    H20/11/3  H21/11/9   H22/11/1  
                血清Cr            11.0          11.68          10.12          10.65        13.18         9.97          
                年齢                57            58              59              60            61           62              
                GFR推算値       4.4            4.1             4.8              4.5           3.5          4.8              
                  (ml/min)

                年・月・日    H23/11/7  H24/11/5  H25/11/18  H26/11/17  H27/11/9   H27/11/10  H28/6/13  H28/6/13
                血清クレアチニン       10.56        10.75         11.40          10.38         11.02         6.53           10.52       10.52
                年齢                   63            64            65              66             67           67               68           68
                GFR推算値          4.5            4.4           4.1             4.5             4.2          7.0              4.4           4.0
                                    (ml/min)
                                    備考     通常透析日    〃     〃      〃      〃   透析なかび 通常透析日 当院血液
                                                              市健診にて         検査票
                  *  通常透析日の数値は、当院血液検査数値を上記 HP上に代入して出した数値です。

                  以上のようです。推算値は、血清クレアチニン値に大きく左右されています。果たして実際の私のGFR値は、いかほどでしょうか。
                  某医師からは、尿中のクレアチニンから出されましたかとお尋ねであり、正確には、尿量中のクレアチニンで出す方がいいと思われて
                 いるのでしょうか。確かに透析翌日の市の健診での数値は、7ml/min。2倍弱の良い結果でありますから。
                  同一のH28年6月13日の数値でも、GFR値は、4.4と4.0若干の差異があるようです。検査日によっても透析患者のGFR値
                 は大きな差異を生じるようです。

                  しかも透析条件(血流量・ダイアライザー・透析液流量・一日空き後か二日空き後の透析・透析時間)等によりかなりの差異が出
                 てくるようです。それ故、この上記数値は、透析に入ってからであり、実質の私のGFR値ではないでしょう。

                  しかしであります、私の残腎機能は、間違いなく低下している事も事実でしょう。その機能は、通常、60ml/min以上が正常値で
                 ありますから、私の残腎機能は、最低ランクに位置します。既に透析導入前直近時でも腎不全末期です。それでも尿は、ずっと出
                 ています。減少傾向で推移しておりました。正常尿とは言いがたいのですが、出ています。言い換えれば、毎日透析を人体を通して
                 行っているようなものではないでしょうか。(毒素除去率は、現在の透析には遥かに及びませんし、人体に有害な蛋白、有用な蛋白
                 も尿中に混じって除去してしまっているのでしょう。)
                  それ故、透析日には、2度人工透析をしている事になりましょうか。

                  前置きが長くなりますので、このあたりで尿量とDWとのかかわりについてみてみたいと思います。

                  年・月・日 H28/5/1 5/10    5/12   5/19    5/23   5/24  5/25  5/26   5/27  5/28   5/29  5/30  5/31    6/1     6/2    6/3    6/4   6/5
                  尿量 (ml)     510       450      550     620      500    320    300   450    590    710    700    430    700      520     620    460    500   500
                  DW (Kg)   77.0       77.0      77.0    77.0     77.0    77.0   77.0  77.0    77.0   77.0    77.0    77.0   77.0    77.0     77.0   77.0   77.0   77.0
                      透析日○そうでない×   ×    ×   ×   ×    ○  ×   ○  ×   ○  ×   ×  ○   ×   ○   ×   ○  ×   ×
                 
                  年・月・日 6/6 6/7    6/8    6/9   6/10  6/12   6/13   6/14   6/15   6/16   6/17   6/18   6/19   6/20  6/21   6/22  6/23   6/24  6/25
                  尿量(ml) 570   560    430    640   430    600     470    530     450     670    470     680     370    770    410    550    640    600    800
                  DW(Kg)  77.0  77.0   77.0    77.0  77.0    77.0    76.5   76.5     76.5    76.5    76.5    76.5    76.5    76.5   76.5   76.5    76.5   76.5    76.5
                  ○・×       ○     ×  ○   ×  ○   ×   ○  ×    ○  ×   ○   ×   ×   ○  ×   ○  ×   ○   ×

                  年・月・日  6/26  6/27
                  尿量           830    400
                  DW            76.5   76.5
                  ○・×          ×   ○

                   以上でありますが、私の透析は、DW通りではなく、ほぼ透析日毎に100・200・300ml余分に除水していました。現在のDWに切り替
                  わる頃には、既にDWは、切り替える数値に近い値近くでありました。切り替わってからも毎日、除水量を100・200mlと余分にしていまし
                  た。切り替えるきっかけは、胸部レントゲン(当院では、三ヶ月に1回の定期検査)であり、心胸比が、以前の46−>49台に跳ね上がった事
                  でした。切り替えてからも、DWより100・200mlと多く除水していました。H28年7月16日現在 DWは、76.0Kgです。

                   6月末になって、尿量はいっきに800ml/日に上昇し、いささか気を揉んでいます。最高血圧値も朝一番では、160台になりましたから。

                   飲水量も左程多くしたつもりはありませんし、夏場ですし、汗をかいた後には、100ml程度は補給しましたが・・。体調はいたって快調。
                   只、6/25,6/26の土・日曜日は、畑での草取りで、しゃがんで2時間程度2日間しましたので、やや腰と足に痛みが出ておりシップ薬の世話
                  にはなっていますが・・。

                   思い余って、メールにて上記の様子をお尋ねしましたが、健常者と同様、残腎機能が、数パーセントでもある人で、透析暦15年の方で
                  尿量が1L/日ある方も居ると知り、私も透析暦11年目になりましたが、体内にやや水分が残っているやに思いますが、透析患者のDW
                  はやや甘めの方がいいとも聞き、しばらく様子をみようかと。除水過多時の心胸比は、45台。現49台ですからせめて46・7台にはした
                  い為、毎回DWよりやや多めに除水をしつつ、最高血圧は、透析終了時 110台をキープする透析になるよう努めております。

                                         平成28年6月27日(月)透析日でありましたが、DWはそのままで、余分に200ml除水量を多くしました。透析終了後の最高血圧は、
                  110台の後半。ベットから起き上がって座った状態での最高血圧は、109であった。こうした血圧値や、翌日の家での身体的諸症状
                  等を加味して、次回の透析日の除水量を決めています。やはり、透析最終時の最高血圧値は、110台が私のベストのようです。

                   かっては、一日空いた後の透析日の除水総量は、2Kg台(返血時生食+透析中の食事分合わせて0.8Kg含む)を維持していまし
                  たが、今は、1.5Kg前後(生食+食事分合わせて0.7Kg含む)で推移しています。かっての除水より0.5Kg分甘くしています。
                   としても、透析中の体内からの水分発散量は加味していませんから、発散量分は常に毎透析時余分に除水している事になりましょう
                  か。それと、透析終了後 尿(100〜200ml)が出ますので発散量と透析後尿量で、ほぼ400〜500ml分に相当し、実質DWは、
                  想定DWよりマイナス0.4〜0.5Kgでありましょうか。

               3.尿に含まれる物質
                  先ほど透析日は、二度人工透析をしているようなものと記述いたしましたが、腎不全に至った透析患者でも、私のように11年目でも尿は
                 出ています。現在(平成28年8月上旬)でも、400〜500ml程度は、毎日出ています。
                  どのような物質が含まれているのでしょうか。下記のデータを見て頂きたい。

                                         H27/9/14       H27/10/26  H28/2/22  H28/6/27
                             透析前 B2-MG   20.6       21.0       22.4      20.4          ダイアライザーを換えてから透析前B2−Mg値は、20
                 透析後  〃       2.9       4.1    4.0     3.7         を超え始めていました。しかし、透析諸条件は変わらない
                     簡易除去率 (%)   85.9       80.5   82.1    81.9         のにH28年6月27日には、突然低下していた。
                     6時間透析  HDF透析10ℓ/時        〃       〃       〃            考えられるのは、6月27日直近の数日の尿量が多くな
                     QB(透析血流)  380        〃      〃       〃           たことではないだろうか。
                     針           15G       〃   テフロン15G     〃            詳しくは、拙稿 http://maxkik.web.fc2.com/b2mg.htm
                     Kt/v値         2.35    2.34   2.37    2.37          を参照されたい。
                    ダイライザー  FIX−250s eco  〃      〃
                    透析液流量(ml/分) 最大 619カ 620カ   640カ     〃
                       (私の知らない内
                       に検査されていた。)

                 正常尿でない私の尿中には、B2−Mgが多く含まれ、除去されたと考えられる。
                 「腎不全患者のB2−MG生成速度は、 0.129mg/h/Kg BW(body weightの略)である。」という研究成果もあるようです。
                  (詳しくは、https://www.jstage.jst.go.jp/articie/jsao1972/17/1/17/17_1_27/_pdf を参照されたい。)

                 私のDWは、75Kg。私自身の体内では、1日あたり 0.129×24×75=232.2mgのB2−MGが産生されているのでしょう。

                 月曜日の透析は、金のPM10時以降・土・日・月のPM4時以前合わせて2日と3分の2日間後の透析であり、232.2mg×2.7=
                626.94mg≒627mgが、透析後産生されている事になりましょう。
                 平成27年8月24日(月)のB2−MG値は、透析前 21.6μg/mlであり、人の体内の血液量は、体重の13分の1 約8%かと。
                 であれば、私の血液総量は、平成27年8月24日(月)では、透析前 75.4Kg 透析後 74.4Kg(裸体重ではありません。)であり、
                概算で、透析前の体重 75.4Kgであり、血液総量は、75.4×0.08=6.032kg≒6.032ℓでしょうか。

                 透析前 B2−MG値は、21.6μg/ml でありますから1000倍すれば、21.6mg/ℓとなり、私自身のB2−MG総量は、21.6×6.032
                =130.2912mg でありましょうか。不思議な事は、月曜日までには、前回の透析から2.7日間で、約627mgのB2−Mgが産生されてい
                る筈。つじつまが合いません。627−130=497mgのB2−MGは、どこへ消えたのでしょうか。

                 考えられる事としては、素人考えですが、私には、まだ腎機能が数パーセントですが、残っていて尿も1日あたり300〜400mlは出ており、
                正常な腎機能ではありませんから、そこで尿に含まれて排出されているのでしょうか。(上記 pdfファイルでも、透析患者の尿からB2−MG
                を取り出している事例を挙げてみえる事からも的を得ていると思います。)

                 透析後のB2−MGは、3.5μg/ml。健康な人のB2−MGは、基準値0.5〜2.0μg/ml。限りなく健康人の数値に近い値を示している事
                は、救いではあります。その除去率は、83.8パーセントであり、130.2912mg×0.838≒109mgでしょうか。除去量は、透析1回あたり
                109mg前後でしょうか。
                 尿中に含まれて除去されるB2-Mgは、497÷2.7≒184mg/日かと。

                 尿として排出しているとすれば、透析にて除去する量より若干多い程度に相当している。尿量が多くなれば成るほど除去量は、多くなる事は
                必定ではなかろうか。それが、透析前B2−Mg値の減少となって血液検査に現れたのではなかろうか。

                 B2−Mg以外に尿中に含まれている物は、糖は確実。本来腎臓が正常ならば、有用な物質は、再回収されましょうが、その回路もダメージ
                を受け、回収されないでいるのでしょう。Ca・P・水等が・・。
                 それが、私のP・Ca値が、ガイダンス正常値範囲の上限内に収まっている事ではないだろうか。腎臓では、機能が正常であれば、Caは、再
                回収、Pの余剰分は、排出する筈。(Pは、消化管で吸収され、不要なPは、排泄されているようですが・・。)腎機能がダメージを受けていると
                すれば、Caの再回収・腎臓にての血中Pは、排出が出来かねていようかと。

                 *食料としての細胞にも、Pが含まれ、たんぱく質を取れば取るほどPが含まれていますから摂取されますが、消化管で、吸収されなかったP
                 は、排泄され、Pの全ては、血中には取り入れられない構造になっているとか。腎臓で再度血中Pの余剰分は、排出される二重構造かと。
                  腎不全患者は、二重構造の片一方が、機能不全状態かと。尿の出ている患者では、Caは、尿に混じり、排出されましょうが、Pも尿に混じ
                 っているのかは、不明。
                  全く排出されていないかどうかは分かりかねますが、実質尿が皆無の患者さんは、CaもPも蓄積するばかりではなかろうか。*

                 オキサロールを増量しても、血中Ca値が、それ程上昇傾向を示さないのも、糸球体直下の尿管は、PTHホルモンの影響を受けない器官でもあ
                るからでしょう。血中P・Ca値が、ガイダンスの適正範囲の上限域を推移しているのもこうした事柄が絡んでいるのではと推測致しております。

                 某Drからは、オキサロールが効かない例は稀とも聞いていますし、オキサロールは、5μ週3回は、多すぎという言葉は、傾聴すべきであり
                ましょう。もっと早く別の方法を模索すべきでした。

                                                                                 平成28年8月9日 記載
                                                                                 平成28年9月9日 一部訂正




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