透析患者の心胸比(正式名称 心胸郭比)について
1.はじめに
私が透析導入をした日は、平成17(2005)年4月11日であり、今から11年前の事であります。某市民病院で始まりました。ベテランのナースさんから
さまざまな事柄のレクチャーを受けました。その一つに心胸比がありました。男性では、50%以下が望ましいと。
* 心胸比は、レントゲン間接撮影の右・左肺間の横幅に対する心臓の横幅の比であるようです。詳しくは、http://cetaka.com/dw/ にて参照されたい。
その透析導入時の心胸比は、43%でした。平成17(2005)年6月6日は、45%、7月4日 47%、7月25日 45%、10月3日 47%、10月17日
46%、11月7日 44%、12月5日 45%という推移。初発は3時間透析であり、その後4時間透析に推移したかと。市民病院での透析は、3ヶ月が限
度であるようで、その後透析専門病院に転院したかと。
2.私の心胸比の推移
平成17年7月以降転院
年/月/日
H17/4/11 6/6 7/4 7/25 10/3
10/17 11/7 12/5 H18/1/10 2/6 4/3
5/8 7/3 8/6 9/4 10/2 11/6
12/4
H19/1/9
心胸比(%)
43 45
47 45 47
46 44
45
42 45
43 41 42 47
42 47
40 42
42
年/月/日 H19/2/5 3/5
4/2 5/7 6/4 7/2 8/6 9/3
10/1 11/5 12/3 H20/1/7 2/4 3/1
4/7 5/5 6/2 7/7 8/4 9/1
10/7
11/3
心胸比(%)
43 43
45 42 43
43 42 41
43 41
43
42 42 44
47 44 47 45
46 45 46
46
平成20年4月20日に転院
年/月/日 H20/12/1 H21/1/5
2/2 3/2 4/6
4/20 11/9
11/25 H22/3/1
7/12 8/9 10/4 11/1 12/6 H23/1/25
2/21
心胸比(%)
46
42 46
46
42
46.2
45
46
47.5 * 50.1
47.7
48.5 * 50.7 *50.5
49.1
49
*
現在の当院に転院してから、現在に至るまで過去 3回の心胸比が、50%を超えました。
当院では、3ヶ月に1回 胸のレントゲンを撮るシステムであり、DWの変更は、病院側から
は、殆んど言い出されません。また、この当時は、患者のDWを固定するような働きかけが
患者に行われていた。その後、私は、レントゲンを月 1回にとDrに声を上げましたが、その
声は、カルテに「頻繁に」と記載されていましたので、正確ではありませんから変更してください
と申し出ましたら、「月 1回」と訂正されました。
年/月/日 H23/3/28
4/25
6/20 7/4
9/26
12/19 H24/2/6
3/5
6/4
9/3
心胸比(%)
47.5 * 50.2
49
45 45.6
45
43 48.1
48.6
48.9 ・・中途省略・・
年/月/日 H29/3/6
6/5 9/4
心胸比(%)
49.0 48.3
47.3
DW
75.0
75.0
74.5
実質DW 74.7 74.9
74.4
*
レントゲンは、相変わらず3ヶ月に1回。Drの許可を貰い、自ら想定DWで、透析。それ以後は、心胸比が、50%を超える事はありません。
しかし、レントゲンが、3ヶ月に1回ですので、果たしてその想定は妥当かどうかは、レントゲン後2か月以降では、あまり自信が持てません。
透析スタッフのリーダーさんには、その旨伝え、1ヶ月毎にして欲しいと訴えていますが、「君だけ特別扱いは出来ない。」というDrの返答。
仕方なく透析後の最終血圧値が、110台前後であれば、そのまま。やや高くなった場合は、DWを100〜200g前後多くし、逆は、少なく
調整して現在に至っております。
そうした調整法は、拙稿 私自身によるDWの見直し として記述致しました。
3.心胸比の意義
上記 私の心胸比の推移を見ていただければほぼ50%以下で推移しています。
ところが、平成20年4月20日以降再度別の透析専門病院に転院致しました。
転院する前の透析専門病院は、レントゲンを毎月撮り、心胸比が出ますので、DWが適切か判断し易いという病院だった筈。
しかし、心胸比が、40%台の前半になるとさすがに声枯れが起こり、散歩中首の付け根が痛くなり、果ては高山病にかかったかと思われる耳鳴り(気圧が変わ
ったりすると耳がつーんとなる現象)も起こり、耳鼻科に掛かりました。1週間経っても直らなかったからですが、そこのDrから「透析患者さんかね。脱水のし
過ぎです。」はっきり言われてしまいました。この頃は、私自身心胸比の見方がよく分からなかったからでしたが・・・・。透析病院のナースさんに告げても適切
なアドバイスもありませんでした。
それでも、その後しばらくして収まりました。今から思えば、分かっていて患者さんに言わず、DWの調整をされた可能性を推測致します。この頃は、病院ま
かせの患者であったからでしょう。
再度の転院のきっかけは、Kt/vが、1以下であり、このままではよくないと思い決心しました。HDFを行っている病院へです。それが、平成20年4月20日
でした。透析室の室長さん(途中で退職されてしまいましたが・・)が、分かり易く解説して頂け、また私の希望を快く聞いていただけKt/vの向上に尽力して貰
えました。今では、Kt/vは、2以上であり、最の高です。
しかし、困った事もありました。上記の心胸比の推移を見て頂ければ分かると思いますが、毎月のレントゲンが、再転院後は、3ヶ月毎であると言う事。お陰
で心胸比は、ほんの僅かですが50%を超えるようになってしまったのです。それまでのレントゲンでは、除水のし過ぎということもあり、きれいに胸の輪郭が写っ
ていたのですが、ほんの僅かですが、左肺下(Drからみて患者の左側、患者の右肺下)が欠けて写るようになりました。
市の健康診断のレントゲン写真で、受診した担当Drから肺に水が溜まっている可能性を指摘された事からでした。再転院では、3ヶ月毎にレントゲンを撮ります
が、直接患者は、そのレントゲン写真を見ていませんし、心胸比も患者が聞かなければ言われないという病院だったからですが・・・。
透析病院のDrに「レントゲンを毎月撮れませんか。」という質問を回診時に私から言いますが、「X線を多く浴びますから。」とか、「これまで3ヶ月毎で問題なく透
析をしてきましたから。」とか、「ちゃんと科学的にしていますから。」と言われてしまいました。
挙句カルテには、「私がレントゲンを頻繁にして。」と言っているとまで書かれ、その部分は、「毎月に訂正して下さい。」と直訴致しました。その後訂正して頂けま
したが・・・・。
当院のDrのDWのお考えは、「適正なDWは、難しい。」だから「3ヶ月単位でレントゲンを撮り、水が肺に溜まっていれば、取り除けばいいという。」お考えのよう
な気が致しております。更に「DWは、少し緩めの方がいい。」とかとも言われています。かっては、患者からDWの変更を申し出ようものなら、「・・・・・・。」諸々の
回答があり、DWは、固定し、食生活を・・・・。患者さんからなかなか申し出難い状況ではありました。
当院にお世話願ってからはや8年目になりますが、レントゲンは、3ヶ月毎。仕方がないので、私なりのDWの見つけ方を実践しており、除水量を加減して対処
しています。何とか心胸比は、50%以下を維持しております。きれいにレントゲンが写るのは、心胸比が、45〜46%位がいいようです。声枯れも起こりませんか
ら。