ダイセンメンブレンシステムズ NFR-1800E(透析用水作成機)について

          1.はじめに
             転院したところの透析用水について知っておきたいと思い私が知りえた事柄を記載する事にしました。
                            インターネット上には、既に使用されている所からの記述がある。( http://www.myschedule.jp/jsdt_archive/detail.php?sess_id=18196 参照されたい。)

          2.NFR-1800Eについて
             メーカーの宣伝によれば、「従来型の軟水器を使用したタイプに代わり、NF膜を前処理とした2段階逆浸透膜システムを採用した透析用水作製装置です。
            軟水再生時の食塩補充、再生時の排水が不要となり、NF膜から出る排水は排水回収膜(UF膜)を使用して原水タンクに戻して再利用(トータル回収率
            約70%を実現)できるため、大幅な節水とランニングコストの低減を実現します。」( https://daicen.com/products/medical/nfr.html より引用 )

                            *  NF膜・・・(nanofiltration:ナノろ過、低圧逆浸透)膜で、分子量200〜1,000の物質の分離性能をもつ膜  
               RO膜・・・(reverse osmosis:逆浸透)膜で、分子量350以下の物質の分離性能をもつ膜 
                                            某メーカー(http://www.aquatec.jp/infomation/ro.htm)の記述には、RO膜は、あらゆる固形溶解物を99.9%除去するとか。
                    その主な除去物質は、「塩分・重金属イオン・溶解シリカ・その他電解物質 非電解物質アンモニア性・硝酸性窒素・細菌類 変異原性物質
                   有機及び有機塩素化合物(DDT、PCB、トリハロメタン、ダイオキシン、トリクロロエチレン、各種農薬類) 」とか。100%と言わないところが・・妙
                   に気になります。
  
                                UF膜・・・( ultrafiltration : 限 外 ろ 過 ) 膜で、分子量が1,000〜200,000の物質を分離対象としており、ウイルスや溶解性有機物の一部も除去可能
                  ( http://www.pwrc.or.jp/yougo_g/pdf_g/y1212-P056-056.pdf より引用 ) また、高いエンドトキシン吸着性能を持つのもUF膜であるようです。
               RU膜・・・水道用膜モジュール規格認定品を使用し、RO装置の濃縮水を水道水レベルに再生可能にする膜 再生できない部分のみ排水カ。*

             病院側のニーズにあった極めて水道使用水量の低減を図れる透析水作成機であるようです。主は、RO膜を用いた透析水濾過であるようです。
             オプションとして、RO膜の目詰まりを回避する為の循環ROポンプを付属する事ができるかと。当院では、オプションを採用されているかは不明。
             NFRは、薬液洗浄機能が、標準装備、熱水洗浄機能を搭載したタイプもあるかと。当院のNFRは、どちらなのでしょうか。

         3.RO膜について
            RO膜は、海水を真水にする時に使用するとか、「放射性物質も濾過する優れ物のようです。」
                                          ( https://ci.nii.ac.jp/els/contents110010016278.pdf?id=ART0010578739  を参照。)とも。
                         
            ダイセン・メンブレン・システムズKKは、株式会社ダイセルとセントラルフィルター工業株式会社が、それぞれの得意とする膜分離技術と濾過技術を結集し
           て設立された会社のようで、上記の膜も自社生産されているとか。
  
            某透析病院の技師さんの影の声、「ETRF(エンドトキシン除去フィルター)でエンドトキシンや細菌が完全に除去できると思っている方・・・それは間違いです(第18回日本臨床工学技士会 〜
              ETRFの滅菌用フィルターとしての性能評価〜 より)」( http://www.imaiclinic.com/hd.water.html より引用 )もあるようです。
               
               通常透析用コンソールには、1乃至2連のエンドトキシン除去フィルターが装備されていますが、完璧ではないかのようです。
            それ故、水道水等から作成される透析水は、限りなくピュアーでなければ・・・。工業用(電子部品)のチップを造る過程では、完全な純水を使用しての製造が
           おこなわれているとか。
            人用の透析水は、工業用に準ずるのみで、工業製品作製水より、どうも低い評価のようでしょうか。10年前位でしょうか、某病院に入院し、臨時透析を受けま
           したが、その時ナースさんにその話をした時、ナースさん曰「人の体は、うまくできていますから完璧な透析水でなくても、ファジーでも対応出来る。」と。私、「透析
           患者の体は、ファジーな対応の出来る体なのかなあ。健常者ではないから。」と思いましたが・・・。

            現在は、どこまで透析用水製造機は、進化してきているのだろうか。NF膜から排出された水も再利用して、使用水道水量を抑える機能は、確かに経済性はい
           いのですが、体内(血液中)に入れる透析液水、医院では、どのような検査をし、どのような結果でありましょうか。

            メーカーは、経済性を追求するあまり同時に人体面への対応が疎かになってくる可能性は無いのであろうか。いささか心配です。
            かっては、原水から透析水を造る膜から除去された水は、排水処理されていた筈ですから。メーカーの技術者は、透析患者の体内に取り込まれる透析液を造
           る透析水について、現在の承認レベル以上の気概を持って製造された上での経済性の追求結果なのでありましょうか。そうであると思いたいのですが・・。
            発売前までのメーカーによる同機種での使用データはどのようになっているのでありましょうか。開示されているのであればみてみたいものです。

         4.私の心配
            こうした心配をするのも、転院先での血圧値の中の最低血圧値が、透析中 100以上或いは限りなく100に近づくからです。透析導入から3ヶ月後、最初の
           透析病院では、透析をすると最高血圧値は、低下しますが、最低血圧値は、100以下には全くならなかった。ところが、2つ目の透析病院に転院すると、そこは、
           前希釈HDF透析の透析でしたが、転院初日から、最低血圧値は、100を切って80台。いったい何がそうさせたのでしょうか。3つ目の透析病院では、再発したの
           ではなかろうかという疑念が生じています。

            透析患者の素人考えですから、取るに足らない事かも知れませんが、体は正直です。何らかの危険信号を出しているのではないかと・・・・思う今日この頃です。



inserted by FC2 system