血圧上昇のメカニズム

      1.はじめに
         私は、CKD患者。残腎機能は、どの程度機能しているかは不明。加齢と共に血圧値は、上昇傾向を示しています。
         ARB降圧剤(カンデサルタン錠)を服用して血圧値を安定化させてはいます。透析日は、透析により水分・塩分は除去されているようで、血圧値は、基準値
        まで低下。しかし、透析翌日は、DWが適切であっても午後過ぎれば、高血圧領域へと血圧値は、上昇。その繰り返しで日々を過ごしております。
         高血圧領域の一歩手前の領域を血圧値は、推移し、お陰で私の心臓の内壁は、基準値(1cm未満)を超えてきています。

      2.血圧調整機構
         「哺乳動物の血圧は単に毛細血管に血流を流す目的には高過ぎる。毛細管の上流にある抵抗血管を通して血流を流さねばならないのでこのように高いので
         ある。しかし,このような抵抗の存在は血圧,血流の調節のためにどうしても必要なのである。

          血圧は血管抵抗と心拍出量によって決定されるが,特に前者が重要で,これは抵抗血管の平滑筋の活動状態によってきまる。これを調節する機構は神経
         やホルモンによる遠隔性のものと,局所性のものとがある。

          種々の血圧調節機構があるが,そのうち神経性のものは速やかに作動し,その他のものは反応がおそい。これらの機構の血圧を復元する能力はそれぞれ
         の利得によってあらわすことができる。血圧調節機構のうち腎・体液機構は無限大の利得をもち,血圧レベルは最終的には腎の機能によって決定されるとい
         われるが,なお検討の余地があるように思われる。」と。
          ( https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.11477/mf.1404202946 より引用 )

                     *  動脈(弾性血管):心臓収縮時に膨らむことで血液をストックし、心臓が拡張した際の血圧を保つ。細動脈(抵抗血管):収縮したり拡張したりすることによって、
                      循環系の抵抗を決め、血圧を制御する。毛細血管(栄養血管):組織に栄養や酸素を含んだ組織液を提供する。静脈(容量血管):血管全体の3分の2という大
                      きな容量を持ち、血液をストックするとか。「高血圧症が持続すると、細動脈ははじめは機能的に、次に器質的に狭窄してくる。」
                                    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%B0%E5%8B%95%E8%84%88 最終更新 2014年9月19日 (金) 12:30  より引用*

                      高血圧症への対処<上記高血圧症からの抜粋>

  1. なにもリスクがない患者では、コストが安い利尿薬カルシウム拮抗薬を第一選択とする。60歳未満ではACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、β遮断薬なども用いられる。
  2. 降圧利尿薬は古典的な降圧薬であるが、低カリウム血症、耐糖能悪化、尿酸値上昇などの副作用にもかかわらず、最近の大規模臨床試験の結果では、アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、Ca拮抗薬などの新しい世代の降圧薬に劣らない脳卒中、心筋梗塞予防効果が証明されており、米国では第一選択薬として強く推奨されている。降圧利尿薬は痛風の患者には使用するべきではない。また緑内障の発症を著しく促すことも最近明らかになっている。
  3. 糖尿病や腎障害の患者では、ACE阻害薬またはAII拮抗薬を第一選択とするが、これらの合併症がある場合には、130/80mmHg未満の一層厳格な降圧が必要とされるために長時間作用型Ca拮抗薬の併用も不可欠である。腎障害が高度な場合にはACE阻害薬やアンジオテンシンII受容体拮抗薬は用いることができない。
  4. 心不全の患者では、ループ利尿薬に加えて、ACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬の併用が有効である。最近βブロッカーの少量追加、K+保持性利尿薬も有効であるとのエビデンスも蓄積されている。
  5. 虚血性心疾患の患者では、従来はβブロッカーが第一選択であったが、最近はACE阻害薬またはAII拮抗薬や長時間作用型Ca受容体拮抗薬の有用性も証明されている。特に、冠動脈のれん縮による狭心症合併例では長時間作用型Ca拮抗薬が有効である。
  6. 高齢者高血圧に関して、以前は根拠がないままに積極的な降圧は必要がないとされていたために、2000年版の日本の高血圧治療ガイドラインでも高齢者では高めの降圧目標値が設定されてきた。しかし最近の大規模臨床試験では、年齢に関わりなく積極的な降圧が必要であることを明らかにしており(HYVET studyなど)、欧米の高血圧治療ガイドラインでは年齢による降圧目標値の設定は行っていない。また日本の高血圧治療ガイドラインも、2004年版では高齢者高血圧も140/90mmHg未満までの降圧が必要であるというように変更された。
  7. 慢性腎臓病を合併した高血圧の治療については、2008年に日本腎臓学会・日本高血圧学会から共同でガイドラインが発表された。第1選択はレニン−アンジオテンシン系抑制薬とされ、第2選択は利尿薬またはCa拮抗薬、第3選択はCa拮抗薬または利尿薬とされている。[55]
  8. 妊婦に対しては、多くの降圧薬に催奇形性があるか、ある恐れがあり、ヒドララジンαメチルドーパのみを使用する。
  9. αブロッカーは、基本的に推奨されないが、前立腺肥大症を合併している患者などでは有用かもしれない。しかし、αブロッカーは最近の大規模臨床試験では最も古典的な降圧薬である降圧利尿薬よりも脳卒中や心不全予防効果が劣ることが明らかになり[56] 、最近の欧米の治療ガイドラインでは第一選択薬から外されている。

          3.腎臓と血圧の関係
             詳しくは、http://www.kyowa-kirin.co.jp/ckd/hypertension/ を参照してください。

             @ 「腎臓のはたらきが悪くなると余分な塩分と水分の排泄ができなくなって血液量は増加し血圧が上がります。」
                  ( 透析は、腎臓に代わって体内の余分な水分とNaを除去してくれている筈。 )

             A 「腎臓から分泌されるレニンという酵素は、血圧を上げる作用をもつ<アンジオテンシンU>というホルモンをつくるのに欠かせない物質で、これによって
               腎臓は血圧を一定に保つ手助けをしています。」<体内の血圧値が低下した時・循環血液量が低下した時に、血圧値を上げて一定になるようにする手助け
               をしているとか。>
                  ( カンデサルタン錠<ARB降圧剤>にて、アンジオテンシンUの働きを阻害し、血圧上昇阻止 )

             B 「腎臓のはたらきが悪くなって血圧が上がると、これらの末梢血管が硬くなり血液が流れにくくなります。このため、末梢血管抵抗が大きくなって血圧はさら
               に上がります。」
                  ( 私の血圧値上昇は、この末梢血管の抵抗が強くなっている可能性がありましょうか。そうであれば、末梢血管を拡張させる降圧剤の服用も視野に
                  入れる事も必要になりましょうか。 更に細動脈<動脈と毛細血管を繋ぐ関所的な働きをする血管>の機能的乃至は器質的な狭窄状況にもよりましょ
                  うか。)

                参考 「Ca拮抗薬をより積極的に考慮すべき病態として、狭心症(特に冠攣縮性狭心症)や左室肥大症例、蛋白尿を伴わない慢性腎臓病、脳血管障害
                   慢性期などを挙げています。ARBについては、それらに加えて、心筋梗塞後や心不全症例、蛋白尿を伴う慢性腎臓病、糖尿病やメタボリック症候群
                   を積極的な適応として挙げています。」( http://www.jhf.or.jp/publish/pro/hint/c5/hint015.html より引用 )。α1遮断薬は、末症血管拡張作用が、
                   あるようですが、下肢浮腫を引き起こす副作用が強いとか。最近は、使われない傾向にあるようです。

                   冬場は、気温も下がり、筋肉も強張り、血圧値を高める事もありましょうか。それに加えて運動不足・食事の片寄り等もありましょう。

               *  動脈硬化リスクの指標 平成30年2月26日(月)の血液検査では、TG(中性脂肪)81mg/dL HDL−C 73mg/dL LDL−C 80mg/dL TC 167mg/dL
                でした。Non−HDL−C=167−73=93mg/dLであり、かろうじて(<100mg/dL)群でありました。今のところ、下肢閉塞性動脈硬化症の疑いは無さそう
                ですが、血管のしなやかさという点では、かなり失われているようで、平成29年では、その進み度合いは、同年齢の平均レベルを大きく超え悪化したようです。
                 詳しくは、ABI・PWVからみた動脈(血管)について  を参照下さい。*

               *  それに加えて、私は、透析導入前に冠動脈狭窄を調べる造影CT,冠動脈造影をしておりませんが、無かったのではないかと推測しておりますが、透析導入
                1・2年目頃の腹部MRI検査を受けた時には、既に大動脈から分岐する腎動脈付近に、更に腎動脈が腎臓へ入る付近に血管石灰化の陰影が確認されてい
                る。いつ頃発症したかは不明です。尿たんぱくが発現した時からとすれば、相当の年数が経っているようですが・・・。
                 動脈硬化の進捗は、現在のところ年齢相応(70歳前後)か、やや下でありましょうか。
                                そして、腎動脈の入口・出口は、狭窄状態で有り、残腎が、血流量の減少を錯覚しているとすれば、血圧値を上昇させるアンジオテンシンUを常に産生させ
                ている可能性もありましょうか。 *






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